米国不動産売却の税金と帰国のタイミングについて知ろう

Tax

米国での不動産売却にはどのような税金がかかるのか?また、日本へ帰国する際の住居売却のタイミングに気をつけるポイントを解説します。

非居住者の米国不動産売却時の源泉徴収について

米国内に不動産を所有していた外国人や外国法人が売却する際には、買い手(購入者)が売却価格の15%を源泉徴収税として差し引き、内国歳入庁(IRS)に納める必要があります。たとえば、日本からの投資や一時的な住まいを購入した後に売却する場合にも、この源泉徴収税がかかります。一部の州では連邦税に加えて州税も課されることがあります。

売却価格が取得費用を下回る場合でも、IRSからの源泉税免除証明書がない限り、15%の源泉徴収税を避けることはできません。免除証明書を得るためには、事前に申請書フォーム8288-Bと免除の根拠を提出する必要があります。

15%の源泉徴収税は最終的な税金ではなく、売り手は後日確定申告書フォーム1040NR(法人はフォーム1120F)を提出し、税金を精算する必要があります。この際、譲渡損益計算書と源泉徴収票フォーム8288-Aを添付して、税金の還付や追加支払いが行われます。

住居売却益の非課税と条件

不動産の売却益とは、住居の売値から取得費、改築費、譲渡費用を差し引いた後の譲渡所得(キャピタル・ゲイン)です。2023年度の譲渡所得の税率は15%~20%です。

主たる住居を売却する際には、25万ドル(独身)または50万ドル(夫婦合算)までの売却益は非課税となる場合があります。ただし、2年間の所有条件、2年間の居住条件、使用目的条件を同時に満たす必要があります。所有条件は住居の所有権を持つこと、居住条件は実際に日常的に住んでいること、使用目的条件は主たる住居として使うことを指します。これらの条件を満たさない場合、非課税額が制限されて課税対象となることがあります。

例えば、一時的に賃貸目的で使用した後に主たる住居として使った場合、売却益の一部が課税対象となることがあります。

夫婦の片方の名義住居であっても、夫婦合算申告を適用すれば所有条件を満たして、50万ドルまでの非課税を受けることができます。ただし、夫婦の双方が居住条件を満たす必要があります。

日本への帰国と米国住居売却のタイミング

米国に住んでいた日本人が、日本に帰国してから米国に住んでいた家を売る場合、売却益には米国と日本の両方で税金を払う必要があります。25万ドル・50万ドルの非課税枠は、米国の税金計算上での話であって、日本の税法には適用されません。日本の税金計算にはこの枠が使えないため、追加の税金を支払うことになり、節税のチャンスを逃すことになります。だからこそ、帰国する前に住居を売るタイミングを選ぶ際は慎重に考える必要があります。

要するに、帰国後に住んでいた家を売る際の税金には注意が必要です。米国の非課税枠が日本の税金計算に使えないことを理解し、節税のチャンスを逃さないよう、帰国前に売却を検討することが大切です。

まとめ

外国人や外国法人が米国不動産を売却する際には15%の源泉徴収税がなされます。売却価格が取得費を下回っても源泉徴収税免除証明書がなければ避けられず、免除証明書取得には事前申請必要です。15%源泉徴収税は最終税金ではなく、確定申告時に申告書提出することで税金を精算することができます。

主たる住居を売却する際には、売却益の一部が非課税となることがあります。条件は2年間の所有・居住・使用目的条件を満たす必要があります。

米国に住んでいた日本人が、日本に帰国してから米国の住居を売却する場合は、米国税と日本税両方で税金支払い必要です。米国の非課税枠は日本税法では適用されず、日本への帰国前に売却をした方がお得です。

Comment

タイトルとURLをコピーしました